2012年7月30日月曜日

定年延長を義務化・制度化:終身雇用の崩壊目的

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サーチナニュース 2012/07/30(月) 12:51
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0730&f=politics_0730_006.shtml

日本はなぜ定年延長を義務化・制度化しようとするのか=中国

  中国網日本語版(チャイナネット)は30日、日本が定年延長を検討していると報じ、賛成と反対の声を紹介した。
 以下は同記事より。

  日本では60歳を超える労働者をよく見かける。
 スーパーの警備員やタクシー運転手の多くは定年退職後の高齢者だが、業務態度は真剣そのものだ。

  日本の高齢者は、定年退職後も働きに出ることを好む。
 統計データによると、2009年の60?64歳の就業率は57%に達した。
 日本政府は高齢者の勤務を奨励しており、高齢者を採用した企業に対して一定の援助を行っている。
 日本政府は今年新たな法案を提出し、定年を原則的に65歳まで延長することとした。

  日本はなぜ雇用年齢を65歳まで延長することを義務化・制度化しようとしているのか。
 その主因はやはり、日本の高齢化だ。
 国立社会保障・人口問題研究所の推測によると、日本の高齢者数は2014年に3300万人に達し、高齢者が総人口に占める比率が2024年に30%に達し、2055年には40.5%まで上昇する見通しとなっている。

 高齢化により、年金不足や医療費増加が生じるが、日本の社会保障に充てられる費用は、毎年1兆円のペースで増加している。

  日本社会において、定年延長については賛成者が多い。
 『日本経済新聞』が6月4日に発表した調査結果によると、新法案の賛成率は49%に達し、反対率は15%のみとなった。
 賛成者の80%は、年金がなく生計が立てられないことを第一の理由として挙げた。

  また、「60数歳でもまだ若い」、「60数歳の社員は知識と技術を持っている」、「仕事が老いの防止につながる」、「現行制度に問題がある」などがそのほかの理由として挙げられた。

  反対者の69%以上は、定年延長により若者の就職に影響が生じるとした。
 また、
 「退職者の全員が知識と技術を持っているわけではない」、
 「現在働いている人の給与が減る可能性がある」、
 「企業の負担が増加する」、
 「失業問題を先に解決すべき」
などがその理由として挙げられた。

  反対者の意見も筋が通っている。
 NTTは7月11日、60歳以降の再雇用制度(年収は最高で400万円)の実施を発表し、若い従業員の昇給に影響が生じる可能性があるとした。
 経団連の調査によると、60歳以上の社員の継続雇用が義務化されれば、若い社員の採用数を減らすとした企業が、全体の3分の1に達した。
 労働政策研究研修機構の周燕飛副主任は、「若者の仕事は、高齢者に奪われやすい」と指摘している。


 65歳定年制導入の最大の理由は、年金受給期を遅らすことである。
 年金はすでにパンクしており、これからはヤリクリでなんとか食いつないでいかないといけない。
 年金をプラス化する手段はまるでみあたらない。
 よって残された手段はどんどん受給開始時を遅らせ、受給金額を減らしていくことしかない。
 定年を延長すれば当然のこととして、若者の就職口を奪うことになる。

 現在でも若者は就職難に陥っている。
 成長期は人が欲しかった。
 大工場なら数百人が働いていた。
 いまではオートメ化で数十人もいればいい。
 その分、職場が消えた。
 この方向はこれからも変わらない。
 IT化はどんどん若者の職場を奪っていく
 人手がなくても生産量は大きく伸びるという社会に突入している
ということである。
 これから、更に
 生産量の伸びに反比例する如く社員数は減っていく、
というスタイルに変わってきている。。
 生産システムがそういう時代に入ってきているということである。

 さらに言えば、企業は
①.老人はいらない
②.今の技術は未来では通用しないがゆえに今の社員を未来雇用する必要はない
 それがゆえに、戦力は時々で集め、そして時々で減らしてゆくという伸縮構造にしないといけない。
 つまり、ほんの一部の社員をのぞいて、あとは時代の要請で雇用し、首切りできる形が望まれるということになる。
 よって、
 65歳定年制は確実に企業から終身雇用を消し去り、さらには現社員の首切りを促進するという結果
をもたらすために、必要だということである。
 65歳定年制は間違いなく終身雇用制度の息の根を止める
ことになる。
 
 できれば、逆に定年を55歳くらいに前に持ってきて若者に職場を与えるべきだと思うが、もうそれを考えれる余裕はなくなっているということである。
 もはや雇用制度はどうにもできなくなるほどに旧態化してしまい、崩れるのをまつだけになっている。
 ならば、
 一気に潰して、何か新しい芽が生まれてくるのを待とう
といった状況になっている。
 言い換えると、65歳定年制とは名目上の老人恩恵のように見えるが、政府の目的は雇用潰しである。
 潰したあとの制度を狙っていると言っていい。
 それがどんな形ででてくるのか、見守っていこうといったところだろう。
 つまり、65歳定年制とは
①.年金受給時期の先送り
②.終身雇用制度の崩壊誘発(現況雇用制度つぶし)
という、2つの目的を持って設定されたということである。



レコードチャイナ 配信日時:2012年11月4日 0時45分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66098&type=0

在日華人ら「65歳退職法制化は生活に影響」―中国メディア

 2012年11月2日、日本の参院本会議で今年、「高齢者雇用安定法」改正案が可決・成立した。
 改正案は、60歳の定年に達したが引き続き働く意思のある社員を65歳まで雇用するよう企業に義務付けている。
 では、この新規定は在日華人の生活にどのような影響があるのか?
 在日華人はこの問題をどのようにとらえているのか?
 中国新聞社が伝えた。

日本の退職制度の崩壊を懸念

 在日華人・龍昇さん(69)は1980年から1994年まで15年間働き、厚生年金を15年間払った。
 1994年に独立し小さな貿易商社を設立した後も、元の勤務先で厚生年金の最低納付額を2003年まで払い続けた。
 年金を受け取るようになってすでに6年経つ。
 退職後の生活について、龍さんは
 「住宅ローンはもうすぐ完済できる。14万円あれば、ぜいたくしなければなんとかやっていける」
と話す。

 定年が65歳に延長されたことについて、龍さんは
 「好ましくない。
 年金受給開始年齢を引き延ばし、支出を減らすのが狙いだが、若者は年金制度に懐疑的で、自分たちの老後には何歳まで待てば受給できるか、と心配しているだろう。
 若者の未納付につながり、自身で老後の解決を考えるようになる。
 日本の年金制度は崩壊するだろう」
とみる。

65歳退職がよい

 昨年60歳の退職年齢を迎えた在日華人・梁さんは日本の大手企業に19年間勤務した。
 退職後、再雇用制度により、引き続き元の職場で1年更新の契約社員として働いている。
 「60歳退職はかなり厳しい」と梁さん。
 退職前は正社員で、給与水準は高く、ボーナスも手厚かった。
 しかし再雇用後は契約社員となり、ボーナスは消え、年収は元の3分の1から4分の1となり、人間関係も微妙に変化した。

 日本の工場で働く在日華人女性・張さんは退職から2年が経つ。
 「2年間苦しかった。できれば65歳退職がよかった」。
 正社員としては給与が多いわけではなかったが、厚生年金・健康保険があり、ぜいたくはできなくても、生活に困ることはなかった。
 2年前から年金受給が始まったが、65歳と60歳では受給額が異なる。
 現在は毎月わずか6-7万円だ。
 幸い子どもは社会人となり、主な生活支出は維持できるが、以前よりは厳しくなった。

経営者の見解はさまざま

 在日華人企業経営者の多くは記者に対し、今後は社員の退職年齢、年金受給開始年齢は60歳から65歳に徐々に推移していくと述べた。
 一定規模の華人企業の多くは「新華僑(改革開放後に訪日した華僑)」が創業しており、年齢層が若く、フレキシブルな経営が売りのため、法改正による影響は大きくなる。
 年功序列は日本企業の経営文化であり、社員はベテランになるほど、給与は上がる。
 退職年齢が延長されれば、若年社員の雇用が減少、組織の高齢化や人件費の上昇、創造力の低下につながり、損失が大きくなれば、経営状況の悪化に追い打ちをかけることになる。
 本来、臨機応変な経営手法の華人企業のセールスポイントも大きく弱まってしまう。

 しかし退職年齢の延長は企業にとって良いこともあると考える経営者もいる。
 あるハイテク企業の会長は
 「再雇用制度は早くに導入した。
 社員側は60歳の退職年齢に、退職か再雇用を選択できる。
 再雇用の場合、給与は10-20%下がり、各種保険・ボーナスは変わらない。
 退職金が支給されないだけ」
と語る。
 同社には現在、60歳以上の社員が十数人いる。
 会社に残ったベテランの技術力は高く、新製品開発・サービスなどでも経験が豊か。
 60歳は彼らにとって、まだまだ働き盛り。
 また、ベテラン社員は社内の安定感を増す。
 社員間で信頼感が生まれやすく、情報交換も容易。
 愛社精神も養われやすいという。
(提供/人民網日本語版・編集/TF)

 


【ファジイ集合体国家】



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