2012年7月22日日曜日

グローバル化は日本のタテ型産業モデルの大きな課題

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レコードチャイナ 配信日時:2012年7月22日 6時41分
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グローバル化は日本のタテ型産業モデルの大きな課題―中国メディア

 2012年7月16日、人民網日本語版によると、同じように海外での業務拡大をはかっても、日本のソニーやパナソニックは大きな赤字を出し、米国のアップルは大きなもうけを出している。
 日米の企業の利益情況にこれほど大きな差が出た原因として、日本は伝統的にタテ型の分業モデルを取り、米国はヨコ型の分業モデルを取ることが挙げられる。
 財政経済の専門家・李克(リー・カー)氏はこうした問題について分析した。
 中国広播網が伝えた。

 日本では最近、国内経済が多くの問題を抱えている。
 これまで優勢を誇っていた一連の製造業に問題が出現し、高齢化によって貿易に困難が生じ、円高が一連の困難をもたらすなどで、こうした問題を前にして日本の人々は途方に暮れている。
 日本の国内総生産(GDP)という点から考えると、目下の高齢化の進行や日本企業の海外進出の動きの強まりなどにともない、短期的には日本の国内市場や国内経済が大きな転換を迎えたり、大きく発展したりする可能性は低い。
 ここ3-4年の間に、各方面の生産コストの上昇や高齢化の深刻化により、ますます多くの企業が海外進出を検討するようになっている。

 1990年代にも日本企業が海外進出に走る情況が出現して大きな論争となり、日本国内の産業が空洞化するのではないかということを人々は熱く語り合った。
 だが2000年以降に出現した新しい海外進出の流れは、90年代当時の状況とは異なる。
 90年代の主な狙いは、海外の労働力や生産要素といったコスト的優位を利用して製品を生産し、その多くを日本に送って売るということにあったが、00年以降の海外進出はこれとは異なり、国外の市場を海外市場開拓の第一歩ととらえ、現地生産、現地販売を主な発展の方向性としている。
 よって新たな海外進出の発展の流れの中にあって、日本企業の海外での生産あるいは経営ということが、日本の国内経済を支える非常に重要な柱になっている。

 現在、海外にある日本法人・日本企業で出資比率が10%を超えるものは、収益の規模が1400億ドルに達しており、平均収益率が日本国内で経営を行う日本企業の2倍以上に上る。
 このためますます多くの日本企業が海外市場を重点ととらえるようになり、海外で収益を実現した後に国内の親会社へ、あるいは国内の企業へ一定の支援を提供するようになっている。
 これは過去10年間ほどの日本の発展における大きな特徴の一つだ。
 だがこうした過程で一連の変化も生じている。
 日本では今年に入ってから、自動車分野で、とりわけ電子産業分野で有名な企業やパナソニック、ソニーなどがいずれも巨額の赤字を出し、産業界、学術界、政府関係者に大きな衝撃を与えた。

 現在、日本企業はさまざまなモデルに基づいて調整を進めており、発展変化の主な方向性として次の2つが挙げられる。
 一つは、日本企業の特徴としてよく知られるタテ型の分業モデルあるいはタテ型の産業調整モデルで、規模の大きい有名企業が牽引役となり、製品の集積企業となって、数百社、数千社の中小企業がこれに呼応し、サービスを提供して、高品質の製品を生み出すというもので、国際市場で一定のシェアを獲得してきた。
 タテ型の分業モデルは日本企業がこれまでずっと自信をもってきたモデルであり、完成度の非常に高いモデルでもある。
 トヨタ、ソニー、パナソニックなどはすべてこのモデルを採用してきた。
 だが十数年にわたる世界の変化により、特にグローバル化がもたらす世界の分業生産モデルの一連の変化(営業販売市場システムの変化を含む)が、タテ型の分業モデルあるいはタテ型の産業調整モデルにとってますます大きな課題となっている。

 もう一つはアップルのような企業が採用するヨコ型の分業モデルで、アップルはこのモデルによって企業発展の非常に大きなチャンスをものにしてきた。
 ヨコ型の企業はある産業の産業チェーンをオープンにし、デザインや中核的部品といった難易度の高く営利性の高い部分だけをコントロールする。
 金融に関連する業務もコントロールの対象で、営利性が低く単純な生産・組立産業は発展途上国に任せることにした。
 こうしたモデルの発展は実際には非常に効果的なものであり、日本のタテ型の産業調整モデルにとっては大きな挑戦となった。
 日本では現在、こうした点を踏まえてどのように調整を行うかの検討がなされている。

 李克氏は世界的に有名な経済学者で、日本大学大学院グローバルビジネス研究科EMBA課程の終身教授、日中管理学院の院長、経済誌「アジア太平洋経済評論」の編集長、アジア開発銀行(ADB)の研究員を務める。
 長年にわたりアジア・太平洋地域の経済や企業の管理について研究を行い、中国経済と日本経済について独自の見解を発表している。




【ファジイ集合体国家】



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